アコムの金利を検証!利息は安いそれとも高い?

消費者金融業者や銀行のカードローンを利用するうえで気になるのが「金利」です。大手の消費者金融業者はおおよそ同様の金利設定になっています。
アコムでは初回利用に限り、金利が30日間ゼロになるキャンペーンを提供しています。
アコムの金利設定
利用限度額によって変動する
アコムのカードローンは、利息制限法にのっとった金利が設定されています。この法律は借入金額に対する金利を定めた法律で、利用限度額に応じて金利上限を設定しています。
利用限度額 | 上限金利 |
---|---|
10万円未満 | 20.0% |
10万円超~100万円 | 18.0% |
100万円超 | 15.0% |
アコムの金利は3.0%から18.0%となっています。消費者金融業者のなかでは標準的な数値です。注意したいのは、最初から下限金利が適用されることはないということです。絶対にないとは言い切れませんが、ほぼ表示された上限の金利が適用されると考えましょう。
利用限度額 | 上限金利 |
---|---|
1万円~99万円 | 7.7%~18.0% |
100万円~300万円 | 7.7%~18.0% |
301万円~500万円 | 7.7%~15.0% |
501万円~800万円 | 3.0%~4.7% |
初回契約時はほぼ18.0%を適用する
アコムの設定金利を見ると、たとえば限度額50万円なら「3.0%~18.0%」となっています。
申し込むときに「自分は安定した収入もある社会人だから、その間の10%くらいの金利が適用されるかもしれない」と考えてしまいがちですが、アコムとの最初の契約ではほとんどの場合で適用される金利は収入や社会的な地位に関係なく18.0%です。
これはアコムに限った話ではなく、プロミスやアイフルなどの消費者金融業者で同様です。そのため、アコムを利用するにあたっては「金利は18.0%」と考えておくのが無難です。
18.0%という金利は実質年率です。この金利で10万円を借入すると、利息は1年間で1万8000円になります。これを365日で割って1日分の利息を計算し、毎月の返済日に30または31を掛けた額を返済します。毎月1万円を返済すると、およそ9000円を利息として支払うことになります。
審査の結果、100万円以上の限度額が設定された場合には、利息制限法によって上限金利が15%と設定されます。
ただ、初回申し込みで100万円の限度額を設定するには、収入証明書の提出が必要ですし、アコムなどの消費者金融業者では最初から大きな限度額を与えられることは非常にレアなケースです。
金利は法律によって制限されている
アコムなどの消費者金融業者は金利が高くて返済がなかなか終わらないとか、取り立てが厳しいなどといったマイナスなイメージを持たれがちです。
そのような側面がかつてあったことは確かですが、現在では利息制限法や出資法、貸金業法などの法律でガチガチに固められていて、金融庁から厳しく監視されています。そのため、アコムのような大手の消費者金融業者が法律を超えた金利を適用することはありません。
インターネットでは、「アコムの金利は29.2%」などの記載がまだ残っていますが、これは2007年以前の話です。現在アコムが設定している18.0%を超える金利で貸出を行うことはありません。ただ、返済が遅れたときには年率20.0%の損害遅延金が課せられます。
「29.2%」という高金利は2007年まで消費者金融業者で採用されていた金利です。これは法律の抜け穴とも言うべきもので、1990年代から批判されてきました。当時も利息制限法は存在していましたが、それを超える金利で貸出されており、法律が改正されたために払いすぎた分の利息を「過払い金」として請求できるようになっています。
18.0%の年率で借りると、「10万円を30日借りるごとに1479円の利息が発生する」ことになります。約1500円と覚えておきましょう。約1500円が10万円のお金を1ヶ月借りるときに必要なレンタル料です。
消費者金融業者では標準的
アコムの金利は3.0%から18.0%と設定されていますが、これは大手の消費者金融業者としては、ごく当たり前の金利で特に高いわけでも低いわけでもありません。
カードローン会社の金利の比較
【銀行系】
銀行名 | 金利(実質年率) |
---|---|
オリックス銀行 | 1.7%~17.8% |
三井住友銀行 | 1.8%~14.6% |
三菱UFJ銀行 | 3.5%~14.0% |
みずほ銀行 | 2.0%~14.0% |
【消費者金融業者】
業者名 | 金利(実質年率) |
---|---|
アコム | 3.0%~18.0% |
SMBCモビット | 3.0%~18.0% |
プロミス | 4.5%~17.8% |
アイフル | 4.5%~18.0% |
ノーローン | 4.9%~18.0% |
この表を見てみると、アコムのローンは銀行系のカードローンよりも金利が高めですが、消費者金融業者のレベルだと標準と考えていいでしょう。各社でそれほど大きな違いはありません。
カードローンの選択という点で考えると、「銀行か消費者金融業者か」を選ぶ必要はありますが、消費者金融業者で選ぶなら金利よりも別な部分にポイントがあると言っていいでしょう。
金利と利子の関係とは?
「金利」はお金を貸す側が受け取るもので、利子は借りた側が支払うものです。利子はお金を借りた人が「お金のレンタル料」として支払うお金と考えると分かりやすいでしょう。
アコムはお金を貸すことで利益を得ている貸金業者で、借りるほうはレンタル料を支払って自分の用事に使っているわけです。
たとえばアコムで10万円を借りたとき、その10万円に対して利子が発生します。アコムを利用した人は、毎月の返済で借入額を返済するとともに、レンタル料である利子を支払います。この利子を計算するための割合が金利です。金利は10万円に対してどの程度の割合で支払うのかを決めたもので、通常は「パーセント」で表記されます。
アコムでは、金利は「実質年率3.0%から18.0%」で設定されます。アコムから10万円を18%の金利で借りるとき、毎月約1500円の利子を上乗せして支払います。利子の額は、申込者とアコムが交わした契約で決められます。
アコムで借りたらいくら返済することに?金利から計算
お金を1ヶ月借りたときの利子、つまり1ヶ月分の利息といってもカレンダーのうえでは28日から31日で差が生じます。そのため、アコムなどの消費者金融業者や銀行のカードローンでは金利を1年間借りたときの年率で表記します。
アコムでも「実質年率」という言葉が公式に使われていますが、実質年率というのは「1年間借りたときの基本になる年率」という意味合いです。支払う利息は1ヶ月ごとになるので、「実質」という単語が付きます。
厳密に計算すると1円以下の小数点まで出てしまいますので、その分は計算に入れないということでもあります。また、この実質年率を借入額に掛けて、さらに365日で割って日割り分の利息を計算しますが、うるう年は366日で割ることにもなっており、計算は多少ややこしいものになります。
基本の計算式はアコムだけでなく、どの業者でも同じです。
利息=借入残高×金利(実質年率)÷365日(366日)×利用日数(28日、30日、31日のうちいずれか)
たとえば、うるう年ではない年にアコムから10万円を金利18%で30日借入するとき、以下のようになります。
10万円×18%÷365日×30日=1479円
金利とともに知っておきたいのは、アコムの「元利定率リボルビング払い」という独特の返済方法です。
- 元利とは?→支払額に利息を含むこと。支払額から利息を差し引いた額が残高の返済に充てられる。
- 定率とは?→借入残高に一定の割合を掛けて支払額を決めること。
- リボルビング払いとは?→分割払いのこと。
アコムで契約して金利が18%と設定されたとき、10万円を借りると利息は1479円となります。アコムの返済方式はまず「元利」ですので、このとき5000円を支払うと、そのうち1479円を利息としてアコムが受け取り、残った3521円を元金の返済に充てます。
差し引きで9万6479円が残ります。この金額にまた同様の返済方式を適用していきます。
契約した利用限度額 | 割合 |
---|---|
30万円以下 | 0.042 |
30万円超~100万円 | 0.03 |
100万円超 | 0.01~0.03(契約内容で変動) |
このため、アコムで30万円を限度額として契約して15万円を借入すると以下のように計算されます。
15万円×0.042=6300円→1000円未満は切り上げるため、毎月の返済額は7000円となります。
仮に、契約時に限度額が30万円で5万円を借入することを考えてみましょう。このとき、最低返済額は計算すると3000円となります。
返済日 | 支払額 | 利息 | 元金に充当される額 | 返済後の借入残高 |
---|---|---|---|---|
4月30日 | 3,000円 | 739円 | 2,261円 | 4万7,739円 |
5月31日 | 3,000円 | 706円 | 2,294円 | 4万5,445円 |
6月30日 | 2,000円 | 672円 | 1,326円 | 4万4,119円 |
7月31日 | 2,000円 | 674円 | 1,324円 | 4万2,795円 |
最終的に、返済回数は48回、総返済額は6万5703円になります。総利息額は1万5703円です。5万円借りただけなのに、完済するまでに4年もかかります。これはアコムが毎月の返済を「借入金額×0.042」で計算しているからです。
大手の消費者金融業者というと、アコムの他にプロミス、アイフルでしょう。この3社を最低返済額で返済していくとどうなるのか、利息をシミュレーションしてみましょう。
業者 | アコム | プロミス | アイフル |
---|---|---|---|
金利 | 18.0% | 17.8% | 18.0% |
最低返済額 | 5,000円 | 4,000円 | 4,000円 |
完済までの回数 | 24回 | 32回 | 32回 |
総利息額 | 1万9,772円 | 2万5,864円 | 2万6,260円 |
総返済額 | 11万9,772円 | 12万5,864円 | 12万6,260円 |
業者 | アコム | プロミス | アイフル |
---|---|---|---|
金利 | 18.0% | 17.8% | 18.0% |
最低返済額 | 15,000円 | 13,000円 | 13,000円 |
完済までの回数 | 47回 | 53回 | 53回 |
総利息額 | 19万8,327円 | 24万6,160円 | 25万1,057円 |
総返済額 | 69万8,327円 | 74万6,160円 | 75万1,057円 |
業者 | アコム | プロミス | アイフル |
---|---|---|---|
金利 | 15.0% | 15.0% | 15.0% |
最低返済額 | 3万円 | 2万6,000円 | 2万6,000円 |
完済までの回数 | 44回 | 53回 | 53回 |
総利息額 | 30万1,674円 | 37万1,743円 | 7万1,743円 |
総返済額 | 130万91,674円 | 137万1,743円 | 137万1,743円 |
利息と最低返済額の関係を考えると、実際にはアコムは「最も安上がり」とも言えます。これはアコムが定率リボルビング払いという返済方式を採用しているためです。
アコムの金利を引き下げる方法として最も確実なのは利用限度額を高く設定してもらうことです。アコムは正規の金融業者であるため、利息制限法を必ず遵守します。
利息制限法では「借入額が100万円以上のときには15%を超える金利で貸出してはならない」とされているので、100万円以上の限度枠がもらえれば確実に金利は下がります。
とはいっても、100万円以上の限度枠をもらうには、最低でも年収は300万円以上必要ですし、アコムから充分に信用されていることも必要です。それまでの取引内容に問題があれば、増枠の申請を出しても通らないでしょう。
貸金業者では、1社につき限度額の設定が50万円以上になるときには収入証明書の提示が必要になります。いったん30万円や50万円で契約して、アコムとの取引で信用を蓄積したうえで申し込んでみましょう。
また、アコムとの良心的な取引を続けているとき、優良顧客と判断されて金利を優遇してもらえることもあります。契約内容に変わりなくても、金利だけ引き下げてもらえるというケースは珍しくありません。これなら年収が300万円未満でもチャンスがあります。
もし、アコムから限度額の増枠の打診を受けているとき、アコムにとって優良顧客と思われている可能性が高いと考えられます。コールセンターに連絡して金利引き下げの交渉をしてもいいでしょう。
そのとき、「アコムは利用しやすく良い業者だと思うので今後も取引を続けたい」「金利を下げてもらえればもっと借りられる」など言ってみるといいでしょう。実際にこのようなやり方で金利を下げてもらったという報告は多数寄せられています。
アコムの金利ゼロのサービスとは?
適用の条件
大手の消費者金融業者の多くが「金利ゼロ」サービスを導入しています。これは新規の顧客を獲得するためのキャンペーンで、すっかり定着しており、どの業者でもおおよそ横並びで同じようなサービスを受けることができます。
アコムの無利息サービスは、借入してから「30日間無利息」というものです。
- アコムから初めての借入であること。
- 返済期日を「35日ごと」で契約すること。
この2つが揃っていないとサービスは適用されません。
アコムでは返済期日を「毎月の指定日」「35日ごと」の2種類から選択できるようにしています。無利息サービスを受けるには返済期日を35日ごとに設定しなければなりません。
「給料日までの小遣いがピンチだ」などといった場合に、3万円だけアコムで借入したとします。「30日間無利息サービス」が受けられると、30日間は金利がゼロなので、利息を支払わずに済みます。もし、このサービスがなかったとすると以下のように利息がかかります。
- 3万円×18%÷365=約14.7円
30日間借りると420円となります。このお金を払わずに済むなら、そのほうが良いでしょう。30日間以内に全額返済すれば、まったく利息を支払うことなく借入できます。
契約日の翌日からカウント開始
アコムの無利息サービスはお得に借入できますが、注意しなけらばならないのは、無利息期間が適用されるのは「借入日から」ではなく、「契約日の翌日から」という点です。
契約日が5月1日とすると、無利息の期間は5月2日から5月31日までです。6月1日なると、利息が1日分かかります。もし、5月1日に契約して借入するのが5月15日だとしても、その翌日から30日間ではないので充分に注意しましょう。
業者によっては「初回の借入日から30日間」というところもありますが、アコムは契約日の翌日からカウントが始まります。借入が遅くなれば、その分無利息期間は短くなります。
利用するなら、お金が必要になった日に契約してすぐに借入したほうがお得です。また、いったん借りて全額を返済したらカウントが止まるということもありません。5月1日に契約した人は、借りても借りなくても、全額返済しても自動的に無利息期間は5月31日で終わります。
無利息期間はどのくらいお得か?
アコムの無利息サービスでどの程度お得にお金を借りることができるか試算してみましょう。比較するのは良くあるタイプのキャッシングローンと銀行のカードローンです。
ローンの種類 | 年率 | 1ヶ月の利息額 |
---|---|---|
アコムの無利息サービス | なし | なし |
キャッシングローン | 18.0% | 740円 |
銀行のカードローン | 14.6% | 600円 |
ローンの種類 | 年率 | 1ヶ月の利息額 |
---|---|---|
アコムの無利息サービス | なし | なし |
キャッシングローン | 18.0% | 1,479円 |
銀行のカードローン | 14.6% | 1,200円 |
ローンの種類 | 年率 | 1ヶ月の利息額 |
---|---|---|
アコムの無利息サービス | なし | なし |
キャッシングローン | 18.0% | 2,960円 |
銀行のカードローン | 14.6% | 2,400円 |
借入額が大きくなるほど無利息期間を利用した場合と、そうでないローンの差は大きくなります。10万円を借りると、通常のキャッシングよりも約3000円近くもお得に借りられます。
まとめ
アコムの金利は高くもなく、安くもないという標準的なものになっています。無利息サービは初回だけ、契約日からカウントするということは覚えておきたいところです。